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金子功のインゲボルグから その②

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90年代に入ると、シャネルスーツにもかなりカラフルなものが多くなってきます。

これは、真っ赤のツイードにさらに赤のタフタのオーバースカートを重ねています。
オーバースカート重ねも金子氏が好きなコーディネイトの一つ。
この後、どんどん進化していきます。




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これは完璧に美しいコーディネイト。

ポリや綿のワンピースにシャネルタイプのジャケットをあわせる
定番のコーディネイトか出来上がってきます。

ワンピース、ジャケット、パール、コサージュの組み合わせは、
金子ファンならば目をつぶってでも出来る組み合わせ!




もちろん、モノトーンも顕在です。


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かなりアクセサリーをつけていますね。
キラキラ輝くアクセサリーは必須!!

帽子もファンの憧れでしたが、ほとんど商品化されなくて、
されても個数が少なくて手に入れられなかった人が多かった。



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こちらも最高に美しいショット。
多分、これは金子氏インゲボルグ冬のラストコレクションではないかと思います。


オーバーサイズ気味のカーディガンを、女っぽく演出する。




それから、90年代の特徴としては、綿のフリルが多用されるようになったこと。

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ゴージャスを綿ブロードで作り出す!!!

金子氏は「僕はフリル実業家」、と語っておられましたっけ。

「フリルやレースがうわぁーーーーーってついているの、もう病気みたいに好き」
と言っておられました。


ええ、そうです、ファンもそうでした。同じく「病気みたいに好きです!!」。


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ここまでくると、確かに、
「病気みたいに好き」な人の服のような、そんな様相を呈してくる。


この頃になると、普通の人とは違うコアなファンが増えてきて、
普通の人は少し距離を置くようになってきたのではないかと思います。

だって、もう、ついていけないもん・・・・・。





話しを少し戻して、90年代のもう一つの特徴としては、
ピンクハウス的な要素が入ってきたという点。

具体的には、花模様の綿のワンピースがたくさん出てきたということです。



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この写真はピンクハウスかな、と思ってしまうけれども、インゲボルグです。

スカートにはペチコートスカートを重ねて履くのももちろん、定番。

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でもピンクハウスに比べるとコーディネイトは温和しい。

ジャケットからフードを出すのも金子さんならではの合わせ方でした。



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モチーフ付きのニットもピンクハウスの定番でしたが、
インゲボルグにも登場してくる。

もちろん、モチーフはスカートの花模様と合わせてある。


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スカートにかなりボリュームが出てきます。

これはカタログ写真からですが、こんな風になってくる。


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ファンは、このままのコーディネイトで着ます。

一般的に言って、ショウの服はそのまま商品化されることはなかったりますが、
金子さんの服はそういうことはほとんどなくて、ほぼショウのまま発売されます。

ですからコアなファンはショウやカタログのコーディネイトを
そのまま着ることができるのです。
そしてそれをやってしまいます。あるいはそれ以上のことをやってしまいます。
それが金子ファンでした。



だってもう、病気みたいに好きなんですもの!!
バランスがどうこうとか、そういうことは金子服においては本質的な問題ではなくて、
如何に自分の情念に逆らわずに着るか、というただこの一点のみ、追求するのです。

確かに逸脱しているな、とは思います。
世の中の人は、そういう情念の持ち主を小馬鹿にしたりするかも知れませんが、
私は自分の中の情念の存在に気づいてしまったから、もうどうしようもありません。

(今は金子服を着なくなって、服に対しては行き場のなくなったその情念は、
ランジェリーにおいて主に発揮されております。)

こうなると、ますます、金子さんの服はある一定のファンのもの
というイメージが強くなって、それ以外の人たちからは
大変残念ながら毛嫌いされてしまう、偏見を持たれるようものになっていきます。


最後は、世の人からは 「まるでコスプレ」(周りから完全に浮いているという意味)とか、
「いたい」などと思われていたのではないでしょうか。

とても残念です。


何が残念かというと、

好きな服を着ているだけなのに、その人のことを
ちょっと普通と違うからとか、流行とは違うからなどの理由で
「いたい」とか「コスプレか」などと批判してしまう精神が残念なのです。

そしてそういう精神の持ち主を作りだしてしまうことに荷担してしまう、
特にファッション関係者の方々の、お洒落ルールに関する語りです。
もちろんこんなことを意図しておられないと思うのですが、
その立場から「断定的に語る」ことが権威を作りだしてしまうと思うのです。


みんな好きな服を自由に、楽しんで着ることができたらいいのにな、と思います。






さて、金子さんの服、その最終形態です。


KANEKO ISAO 2004~5AWコレクションから。


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フリルの滝のようなオーバースカートを重ねる。

とにかく重ねたいの!!


段々スカートにはフリルがびっしりついています。ちょっと重いの。


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まあ、モノトーンのおとなしめの服ももちろんありました。


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これもいいんですけれども、
こういう服を着た次の日は重ねてしまうのでした・・・・・。

この頃熱狂的なファンであった私は、
文字通り狂ったように金子氏の服を着ていたのでした。

金子さんの服を着るためにうまれてきたの!!と、真剣に思っていました。

でも自分なりにとことんやったので気が済んだようで、
この後しばらくして私は金子服と決別したのでした。


まるで夢から覚めたように・・・・・・。



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この約10年後に金子氏は引退されたのでした。



by gratia-lily2 | 2018-05-02 09:32 | ファッション

装いを通して自分の内面を見つめ、愛と美と知が調和したオリジナルな美の世界を創造することをめざして。50代以降の女性の甘くて幸福な装いを楽しみましょう。ランジェリーが大好きです。


by gratia-lily2